四つのデュエット 第四楽章

四つのデュエット 第四楽章 
Four Duets 4th movement

ピアノのための『四つのデュエット』第四楽章は、演奏に際して右手と左手のバランスが重要であることがひとつの前提となっているので、それについて書いておきたいと思う。

この楽章は、基本的に左手を強く、右手を弱く奏することで、全体として響きの調和を図るようデザインされているが、このバランスは音域によって、対応が変わってくるところでもある。楽譜には、おおまかな強弱指定のみ示されている。実際に左手(主旋律)に対し、右手(対旋律)をどのくらい聞かせるかなど、演奏者の解釈や即興的判断を要する。

強い音と弱い音を混ぜて別の新しい響きを作るという奏法は、グランドピアノという楽器のあまり得意とするところではないかもしれないが、精緻な強弱表現が可能である強みはある。上記の左手と右手のバランスに関するイメージは、アップライトピアノで弾いた方がわかりやすいかもしれない。

スタジオやPCでの音楽制作では必ずミックスという作業が行われるが、そのミックスという用語、概念は、生楽器を専門としていると、意外と触れる機会がなかったりもする。知っているととても有用だと思うので、ソルフェージュの一環としてこれを学ぶ機会があってもいいぐらいに思う。

上記の左手、右手のバランスに関することも、ミックスという概念を用いて説明するなら、右手パートと左手パートとを、どう音楽的にミックスするかというふうに言い換えることができるだろう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です