滝は多かれど うれしやとぞ思ふ
鳴る滝の水 日は照るとも絶えでとうたへ
やれことつとう
歌詞の形式は整っているように感じられるものの、四句神歌に多くみられる七五句四連やそれに類するものとは、幾分異なっているようである。『梁塵秘抄考』(小西甚一著)によれば、この歌は四句神歌ではなくて、足柄というジャンルの歌が混入したもので、足柄の「瀧水」として広く歌われたものらしい。延年の舞の歌詞としても歌われた。
歌詞にある”やれことつとう”という囃子言葉は、『五節間郢曲事』(綾小路俊量著)の中に「やれことうとう うたふ時はとんとうと詠也」とあるのに従い、”やれことんとう”とした。