五つの今様　『梁塵秘抄』より　その四

見るに心の澄むものは　社毀れて禰宜もなく　祝なき
野中の堂のまた破れたる　子産まぬ式部の老いのはて

それを見て心が澄むものとして、物事を列挙していく歌。「澄む」という言葉自体は、くもりや濁りがとれて明らかとなること。ここでは崩れ落ちた社などを見て、と歌う。「禰宜」、「祝(はふり)」はそれぞれ神官の職称。

• 五つの今様　その一　「はかなきこの世を過ぐすとて」
• 五つの今様　その二　「山の調めは桜人」
• 五つの今様　その三　「頭に遊ぶは頭虱」

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