五つの今様 『梁塵秘抄』より その二

山の調めはさくら人 楽譜 ページ1
山の調めはさくら人 楽譜 ページ2
山の調めはさくら人 楽譜 ページ3
山の調めはさくら人 『梁塵秘抄』より

山の調めはさくら人 海の調めは波の音
また島めぐるよな 巫がつどひは中の宮
厳粧遣戸はここぞかし

その二は、四句神歌より。この「山の調めは」の歌は、厳島神社の光景を詠ったもの。「さくら人」は雅楽の催馬楽の曲名。「山の調めはさくら人 海の調めは波の音」の句は、雅楽の管楽器の響きを風の音に見立て、それが波の音と混ざりあって響くさまを歌ったものだろうか。島を巡るのは、厳島神社の神事。厳粧遣戸は美しく装飾された引き戸。

ヴォーカルの音源には、Synthesizer V Saki AI ライト版を使用。

もうひとつの版

山の調めはさくら人 楽譜
山の調めはさくら人 『梁塵秘抄』より

こちらの版では、七五句の言葉の調子にそのまま節をつけるかたち。今様の歌詞は、七五句が四つ連なる規則的な形式である場合が多いけれど、中には不整句が混じって不規則な形式をとる場合もあり、特に四句神歌において散見される。
こちらの版のスタイルでは、「山の調めは」の歌のように不整句が混じっている場合、形式の不規則さがわかりやすい。

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カテゴリー: 今様

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