五つの今様 『梁塵秘抄』より その一

五つの今様 その一 楽譜 ページ1
今様四首 その一 楽譜 ページ2
今様四首 その一 楽譜 ページ3
はかなきこの世をすぐすとて 『梁塵秘抄』より

はかなきこの世を過ぐすとて 海山稼ぐとせしほどに
よろづの仏にうとまれて 後生わが身をいかにせん

『梁塵秘抄』に収録された「今様」に節をつけ、ピアノの伴奏をつけたもの。以前に梁塵秘抄の今様に曲をつけたものとしては、法華経二十八品歌、二句神歌などがあるが、本作においてはおもに四句神歌から選んで曲をつける。本投稿の「はかなきこの世を」の歌は、雑法文歌に属する。

これまで今様に作曲したもので試聴用の音源をつけたことはなかったけれど、今回作ってみた。ヴォーカルの音源には、Synthesizer V Saki AI ライト版を使用した。これは機械学習を用いた音源でありながらも、制御性に優れているように感じられた。

今様について

今様とは、平安から鎌倉時代にかけて庶民、また貴族の間でも流行した歌謡。それが当時どのような歌であったのか定かではない。「今様」という言葉じたいは、「当世風の」という意味であり、また「今めかし」の意味合いで、当世風かつ華やかな感じといったニュアンスを含みうる。また今様の「様」という語は当時、曲調や歌い方といった意味合いでそのまま音楽に関する語として用いられることがあり、今様とはある固有の音楽様式を指すものとも考えられ、当世風の節回し、当世風の音楽様式といった意味合いで捉えることもできる。(参考 小西甚一『梁塵秘抄考』三省堂, 1941年)

もうひとつの版

五つの今様 その一 楽譜
はかなきこの世をすぐすとて 『梁塵秘抄』より

今様の作曲には間をとった様式を用いているが、今回はもう一つ別の版を用意してみた。言葉のリズムに沿った、よりシンプルな歌い方のためのもの。

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カテゴリー: 今様

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