第十六段は、紀有常と友人との贈答歌。第十九段は、おなじところに宮仕えしている男女の贈答歌。この第十九段の贈答は、古今和歌集の第十五巻恋歌五にもあり、古今和歌集では在原業平と紀有常の娘との贈答となっている。
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伊勢物語 その四 第十段~十五段
作曲された和歌には、リズムを表記していない。たとえば一音々々長く引き伸ばしてもよいし、基本的にどのように歌ってもよい。
もし日本語として普通に和歌を音読するようなリズムに、そのまま音程をつけて歌うような場合、第二句と第四句のリズムは選択の余地が生じる。すなわち、つぎのような二通りのリズムパターンとなる。
伊勢物語 その三 第九段
「駿河なる」の歌は、「駿河なる宇津の山辺の」が「うつつ」に掛かる序詞となっていて、第一、二句が第三句を修飾するかたちをとっている。序詞は、基本的には飾りの部分であるから、この歌のメインとするところは「うつつにも夢にも人にあはぬなりけり」となる。