月の桂はよく歌に詠まれる題材。小西甚一著『梁塵秘抄考』によれば、万葉集の第七巻の巻頭歌である「天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ」(巻7-1068)の歌によっている。
カテゴリー: 今様
雨は降る去ねとは宣ぶ
日常の一コマ、あるいは物語の一場面を切り取ったような内容。
万劫年経る亀山の
古代中国の神仙思想、伝説にもとづく、海上にあるとされた想像上の山。三神山の一つである蓬莱山(亀山)を内容とする賀歌。
君が愛せし綾藺笠
笠を川に落としてしまい、それを探している間に夜が明けたという内容。綾藺笠、賀茂川、秋の夜と、具体的な語も用いて語られるわりに、
月影ゆかしくは
古典の作品において琴と言えば、琴(きん)の琴、筝(そう)の琴、和琴(わごん)などであるが、琴の琴は七弦で、弦を支える柱を持たない。
公達朱雀はきの市
小学館の日本古典文学全集の解説に、「十二世紀の京都の街頭録音を聞く思いがする。」とあるのが目に留まって興味を持ったので曲をつけてみた。
鈴はさや振る藤太巫女
巫女舞について歌ったもの。「さや振る」の「さや」は、「然や」(そのように~か?)と「さやかに」(明瞭である、音声が澄んでいるの意)の二通りの解釈がある。
三つの今様 その三
極楽浄土への往生を目指す浄土教にあっては、その対として地獄の観念が取り扱われるのも道理ということになるのだろうか。
三つの今様 その二
この歌は、法円上人(1178-1231)作の和歌で、新古今和歌集巻第二十、釈教歌に収録されている。これが歌謡として歌われた。
三つの今様 その一
梁塵秘抄の巻第二に、百二十一首収録されている二句神歌は、最初に無標題のものが四十九首、そのあと神社歌が六十一首、最後に無標題のもの十一首の構成となっている